封神演义破阵顺序(日本安能务版封神演义)
封神演义破阵顺序(日本安能务版封神演义)有道是“未去朝天子,先来谒相公”。在朝贺天子之前,诸侯们先要去相公(大臣)们的府上拜谒。不,比起天子,大臣更不能被得罪。最重要的是,如果哪个诸侯不给大臣送去贿赂的话,他就不会有好下场。这正是朝歌百姓对大臣的嘲讽。事实上,诸侯们要贿赂的大臣,既不是太师闻仲,也不是宰相商容。在朝歌城里专门收受贿赂的大臣,正是费仲和尤浑这两人。伴随着四月元旦节(不是一月一日)的到来,夏天的脚步越来越近了。来自东南西北的大诸侯,各自率领着全国八百诸侯(北海的七十二诸侯除外),陆陆续续地来到都城朝歌会集。费仲和尤浑两人,笑得都停不下来了。商朝形势「未去朝天子、先来謁相公」という言葉がある。天子に朝賀する前に、まずは相公(大臣)に拝謁せよ。いや、天子よりも大臣の機嫌を損ねるな。なにより、大臣に賄賂を贈らなければ、酷い目にあうぞよ、という揶揄である。大臣といっても、それは太師聞仲や、宰相商容のことではない。賄賂を取るの
紂王八年。八百諸侯朝覲の年である。
纣王八年,是八百诸侯朝觐之年。
元旦(一月一日ではない)も真近の夏、四月。東南西北のそれぞれの大諸侯に率いられた、全国八百の諸侯は、北海の七十二諸侯を除いて、ぞくぞくと都、朝歌に参集した。費仲と尤渾の二人は、笑いが止まらない。
伴随着四月元旦节(不是一月一日)的到来,夏天的脚步越来越近了。来自东南西北的大诸侯,各自率领着全国八百诸侯(北海的七十二诸侯除外),陆陆续续地来到都城朝歌会集。费仲和尤浑两人,笑得都停不下来了。
商朝形势
「未去朝天子、先来謁相公」という言葉がある。天子に朝賀する前に、まずは相公(大臣)に拝謁せよ。いや、天子よりも大臣の機嫌を損ねるな。なにより、大臣に賄賂を贈らなければ、酷い目にあうぞよ、という揶揄である。大臣といっても、それは太師聞仲や、宰相商容のことではない。賄賂を取るのは、もっぱら、費仲と尤渾の二人である。
有道是“未去朝天子,先来谒相公”。在朝贺天子之前,诸侯们先要去相公(大臣)们的府上拜谒。不,比起天子,大臣更不能被得罪。最重要的是,如果哪个诸侯不给大臣送去贿赂的话,他就不会有好下场。这正是朝歌百姓对大臣的嘲讽。事实上,诸侯们要贿赂的大臣,既不是太师闻仲,也不是宰相商容。在朝歌城里专门收受贿赂的大臣,正是费仲和尤浑这两人。
だがこの年、諸侯からの「礼単」(贈り物の目録)に目を通しながら、二人は機嫌が悪かった。北海七十二諸侯の分だけ、実入りが減ったのは、まあ、致し方ない。しかし、あの冀州侯、蘇護の礼単が、今年もまたなかったからである。
然而,这一年,看着诸侯们送来的“礼单”(礼品目录),两人的心情非常不好。来自于北海七十二诸侯的那份收入没有了。嗯,这也是没办法的事情啊。可是,那个冀州侯苏护,今年又没有将礼单送来。
「あの田舎者めが、こんどこそ、目にもの見せてくれようぞ」と費仲と尤渾の両人は、憎々しげにうなずく。
“那个乡巴佬!这回一定要让他见识下我们的厉害!” 费仲和尤浑两人恨恨地点头道。
そして、いよいよ元旦吉日。金鑾殿での文武百官の朝賀が終ると、紂王は費•尤の両人をしたがえて、ひとまず、竜徳殿に移った。続く四大諸侯の朝賀までに、間があったからである。
元旦吉日终于到了。在金銮殿结束了文武百官的朝贺后,纣王带着费尤两人,暂时移到了龙德殿。毕竟,在接下来的四大诸侯的朝贺之前,纣王还得先休息一段时间。
「陛下、例の美女選定の件ですが、四大諸侯が一堂に集まったこの機会に、直接口頭で、ご下命になられては、いかがでございましょうか。そうなされば、商容が再び諫止することも出来ません」と尤渾が費仲に目配せし、紂王の顏色をうかがいながら言上する。
“陛下,关于选拔美女的这件事,为何不趁着四大诸侯齐聚一堂的机会,直接下达口头命令呢?怎您吧。这样的话,商容就不能再行谏止了吧?”尤浑向费仲使了个眼神,让他观察下纣王的脸色再进行发言。
影视剧中的费仲
「うん、そうじゃな。よく気がついた」と紂王は顔をほころばせる。それを見定めて、費仲が平伏した。
“嗯!是这样!两位爱卿说得好!”纣王不由得笑了。费仲见状,向纣王跪了下去。
「しかし、一旦、商容の諫止を受け入れながら、それを蒸し返したのでは、ご聖徳にキズがつきましょう。それより、聞き及びましたところでは、冀州侯蘇護に一女があり、絶世の美人とのことにございます。内々に、彼女を後宮にお召しになれば、天下の耳目をそばだてることもなく、商容の諫止を気になさることもございません」
“不过,陛下,您已经接受了商容的谏止,一旦再去翻旧账,就会有损于您的圣德。据臣所知,冀州侯苏护有一女,是绝世美人。您如果私底下将她召入后宫的话,就不会引起朝廷和天下百姓的注意,更不用担心商容再次前来劝阻您了。”
「女媧御前に似ていようかのう?」
“她的样子像女娲娘娘吗?”
「そのように聞き及びました。さればこそ、申し上げた次第でございます」
“臣也是这么听说的,不然的话,又怎么会和您说这些?”
「そうか、すぐに冀州侯を呼べ」
“是吗?马上把冀州侯叫过来!”
影视中的苏护
「かしこまりました」と尤渾は、すぐさま竜徳殿を出て、午門に向かう。諸侯は午門の外に参集していた。四大諸侯は、午門から中に入り、金鑾殿の前庭で朝賀を行なう。しかし、一般諸侯は四大諸侯に合わせて、午門の外で朝賀することになっていた。尤渾は、上意と称して委細かまわず、蘇護を竜徳殿に連れてくる。
“是的,陛下。”尤浑马上走出龙德殿,向午门行去。诸侯们都集合在午门之外。四大诸侯从午门而入,来到金銮殿的前庭对纣王进行朝贺。不过,一般的诸侯也要在午门之外与四大诸侯一同进行朝贺。尤浑来到午门后,称自己得到了上意,不管不顾地将苏护直接带到了龙德殿。
再び金鑾殿に出駕して、四大諸侯の朝賀を受けながら、紂王は気もそぞろであった。
纣王再次驾临金銮殿,心不在焉地接受了四大诸侯对他的朝贺。
「顕慶殿で、四大諸侯に宴を賜われ」と宰相、亜相に言いつけると、そそくさと竜徳殿に取って返す。尤渾が、すでに蘇護を伴なって控えていた。
“在显庆殿,给四大诸侯赐宴!”纣王对宰相和亚相稍作吩咐后,就匆匆返回了龙德殿,而苏护早已在尤浑的陪同下,等待着纣王的到来。
「のう冀州侯よ。卿に一女ありて、品性高く、徳性も優れている、と聞く。それゆえ、側近く召し出したいが、どうじゃ。さすれば卿は皇親国戚。天禄を受け、顕位に輝き、冀州に鎮座して安康を保証され、四海に名をとどろかせて、天下に羨望の的となろう。どうだな?」と紂王は、恩着せがましく、猫なで声で言う。それを聞きながら、蘇護の表情は、険しくなった。そこは、八百諸侯でただ一人、あえて大臣に賄賂を贈らない蘇護のことである。紂王の前といえども、やはり忌憚はなかった。
“冀州侯啊。朕闻卿有一女,品行高洁,德性优娴。因此,朕想将她召入后宫,留在身边服侍。如此一来,卿也是皇亲皇亲国戚了。届时,卿受此天禄,光宗耀祖,永镇冀州,坐享安康,名扬四海,天下人莫不羡望。卿意下如何?”纣王一边以苏护的恩人自居,一边用各种甜言蜜语讨好着苏护。听了这话,苏护的神情变得严峻起来。苏护倒底是八百诸侯中唯一一个没有向大臣行贿的人啊!就算是在纣王面前,苏护也没有表现出丝毫忌惮之色。
苏护拒绝了纣王的要求
「陛下には後宮に、千を数える美女が侍っております。妖冶(あでやか)で、嫵媚(なまめかしくこびる)の女子衆が不足している、とは考えられません。左右の佞臣の諂いや、讒言は、陛下を不義に陥し入れます。それに臣の一女は、蒲柳の質で、徳性容姿ともに取るに足らず、儀礼すら、よくはわきまえておりません。陛下、左右の奸臣は、即座にお斬り捨てになられたがよろしゅうございます。もって陛下が、心を正して身を修め、諫言を聴き入れる明君であることを、天下と後世にお示し下さい」
“陛下!还有成千上万的美女在后宫里服侍着您啊!莫非您的后宫里还缺少一个妖冶(魅力四射)妩媚(妖娆的媚态)的女子不成?这是臣难以置信的事。或许,您左右的佞臣都在忙于谗言媚君?这会陷陛下于不义!况臣女蒲柳陋质,德性容姿俱无足取,就连仪礼也不太懂。陛下,左右的奸臣,还是马上一刀砍死比较好!因此,请陛下立刻向天下后世昭示,您是能正心修身,听从谏言的明君吧!”
「卿は、なんという政治オンチで、世間知らずだろう。一体この世に、娘を家門の楣に使わない愚か者がいようか。天下に、娘が后妃におさまる以上の、赫々たる顕貴に至る道はあるまい。よく考えてみよ。迷うことはない」と紂王は、あきれ顔である。しかし、蘇護は、にわかにいきり立った。
“苏卿,难道你是个政治白痴?一点人情世故都不懂?从古至今,有哪个傻子会不让女儿光大自家的门楣呢?再说了,在这个天下,诸侯之女嫁为天子的后妃,不正是让其家族显赫富贵的至道吗?好好想想!别再犹豫了!”纣王一脸愕然,可苏护的怒火却突然爆发了。
「夏の王朝が滅亡したのは、桀王が荒淫、酒色に溺れたからだ、と聞きます。それを放伐したわが商朝の祖宗が、徳を修め政に努めた結果、万民は服し、四海は従い、ために六百年の太平な天下を築いて、今日に至りました。しかし陛下は、亡国の君主、桀王の轍を踏まんとしておられます。君は臣の鑑であり、君主が正道を踏まなければ、臣下が奸を働くことは避けられません。陛下は、商朝六百年の基業を、根底から揺るがそうとしておられます」
“臣听说,桀王荒淫,沉溺于酒色。后来,我们商朝的祖宗汤王将桀王放伐,灭亡了夏王朝。汤王修德勤政,万民悦服,四海景从,从而创造了六百年的太平盛世,直至今日。然而,陛下正在重蹈亡国君主桀王的覆辙!俗话说,君为臣鉴。如果君主不走正道的话,臣下就不可避免地要作奸犯科。如果陛下再不悔改的话,将从根本上动摇商朝六百年的基业啊!”
影视剧中的苏护
「黙れ!無礼者」と紂王は、烈火のように怒った。
“闭嘴!你个伧夫!”纣王被苏护气得怒火中烧。
「なにを血迷うたのだ蘇護。汝の娘を取り立てようというのに、バカ者めが。死を賜わってさえ逆らわず、が臣下の礼というのを忘れたか。たかが娘一人のことで、亡国の君になぞらえて、朕を面責するとは、赦しがたい」と紂王は声を張り上げた。
“苏护,你在发什么疯?!我只是想将你的女儿抢过来而已!你这个笨蛋!再说了,君赐死,不敢违!这是臣下之礼!难道已经你忘了吗?没想到啊!为了不让你家女儿入宫,你居然当面责备朕,还将朕比作亡国之君!真是不可饶恕!”纣王放开嗓门斥责道。
「者ども!逆臣を召し取り、司直の手に渡して断罪せよ」
“来人啊!将逆臣拿下,交给司直断罪!”
ついに、蘇護は縄をかけられて、午門の外に引きずり出される。入れ替わりに費仲が現われて、紂王の前に平伏した。
苏护最终被绑上绳子,拖到午门之外。取而代之的是,费仲出现在纣王面前,并平伏在他的脚下。
「不敬の大罪を犯した蘇護を、断罪するのは当然でございます。しかし、司直の手に渡せば、事のいきさつは天下に知れ渡りましょう。ここはむしろ、赦すべからざるをお赦しになり、一命を助けてやれば、いくら愚かな蘇護でも、聖恩に感じて娘を差し出しますし、差し出さざるを得ないと存じます」と費仲は言上する。
“苏护犯下不敬之大罪,理所当然得接受司直的断罪。然而,如果您将苏护交给司直的话,事情的经过就会传遍天下。与其这样,您不如宽恕这位不可饶恕的逆臣。要是您救了他一命的话,无论苏护有多么愚蠢,都会感受到陛下的圣恩,进而将他的女儿献给您。不,他到时恐怕别无选择,只能将他的女儿献给您。”费仲说道。
中国影视剧中的纣王
「それもよかろう。ただし、ただちに朝歌を去れ、と申し渡すのじゃ」と紂王は納得した。蘇護は縄を解かれて、朝歌を離れる。
“那倒也不错。但是,你得叫他马上滚出朝歌。”纣王采纳了费仲的建议。苏护的绳子被解开后,立马便离开了朝歌。
近くの宿場に待機していた冀州家の武将たちは、遠くから主公の姿を認めて、総出で迎えに出た。特別のご拝謁を賜わったのだから、吉報やいかに?という面持ちである。
在附近驿站待命的冀州家的武将们,从远处认出了主公的身影,便全体出动,迎接苏护的归来。苏护毕竟被纣王赐予了特别的谒见。主公会给他们带来怎样的吉报?他们也很想知道。
「昏君!」
“昏君!”
バカ君主め!と最初に蘇護の口をついて出た言葉で、諸将は大方の事態を悟る。蘇護は、一部始終を説明した。そして嘆息する。
愚蠢的君王!这是苏护口中说出的第一句话。诸将大概意识到发生了什么事,而苏护也向他们解释了整件事的来龙去脉。然后,众人纷纷发出了叹息之声。
「聞太師が留守だから、相談することもならず、決断に迷っている。娘を差し出さなければ、紂王めは兵を挙げて、攻めて来るに相違ない。さればとて、娘を献上すれば、昏君の不徳を助長したと、天下の笑いものになるだろう。諸君はどう考えるか?」と諸将の意見を求めた。
“由于闻太师不在,我也无法和他商量。唉,如今我也不知道自己该做出怎样的决定。如果不将女儿献给他的话,我可以打赌,纣王一定会举兵攻打我们。话虽如此,就算我将女儿献上,也会因助长了昏君的不德而成为天下的笑柄吧?诸君有什么看法呢?”苏护向诸将征求意见。
「君主正しからざれば、もはや君主にあらず。朝歌に叛旗をひるがえし、商朝から離脱して、冀州の独立を図ろうではないか」と諸将の意見は期せずして一致した。
“如果君主不正的话,他就不再是我们的君主了!让我们举起叛旗,反出朝歌,脱离商朝,谋求冀州的独立吧!”诸将的共识不约而同地达成了。
漫画中的苏护
「よくぞ言った。男子たる者、是非に合わざることはすまいぞ。筆を出せ」と蘇護は馬をとばして午門に戻ると、その壁に、大きな字で詩を題した。
“说得好!男子汉大丈夫,不做亏心事!拿笔来!”苏护策马回到午门,在那堵墙壁上用大字题下了一首诗。
君壊臣綱 君が臣の道を乱して
有敗五常 人倫を破った。
冀州蘇護 よって冀州の蘇護は
永不朝商 今後、商に入朝すまい。
そう書きつけると、蘇護は部将を率いて、まっしぐらに冀州に帰った。
写完这首诗后,苏护率领部将,火速返回了冀州。
冀州城に着いた蘇護は、息をつく間もなく、長子の蘇全忠に事の次第を告げて、敵の攻撃に備えよと言いつける。蘇護は、城の点検補修を手配し、軍の調練を指令した。
到达冀州城后,苏护还没来得及喘口气,就将事情的经过告知给长子苏全忠。他吩咐苏全忠,要他防备敌人的攻击。为此,苏护专门安排了冀州城的点检补修,还下达指令,加强了军队的日常训练。
蘇護が午門の壁に詩を題したことは、たちまち紂王の耳に届く。
苏护在午门壁上的题诗,顷刻间就传到了纣王的耳中。
漫画中对这一段的描述
「卑劣な鼠賊めが。一族郎党を、冀州城もろとも焼き払ってくれようぞ」と紂王は、宿直の将軍、魯雄に軍令を下す。
“卑劣的鼠贼!我要灭了苏护的十族!将冀州城烧得一干二净!”纣王向宿直将军鲁雄下达了军令。
「蘇護が謀叛を起こした。法紀を正し、朝廷の威信をかけ、朕は六師(天子直系軍)を率いて、親征する。卿はまず殷破敗、晁田らの二将をしたがえ、人馬二十万を率いて先鋒となり、ただちに冀州に赴くのだ」
“苏护谋反了!朕将率六师(天子直系军)亲征!拨乱反正!重树朝廷威信!卿先与殷破败、晁田等二将,领人马二十万为先锋,即刻赶赴冀州!”
しかし命令を受けた魯雄は考える。蘇護は正統派の諸侯で、忠良な武将だ。なぜ紂王の逆麟に触れたかは知らないが、親征をかけられたら、冀州家の絶滅は免れない。そう考えて魯雄は、さりげなく上奏した。
然而,鲁雄接到命令后,却有自己的一番思虑。苏护是正统派诸侯,更是武将中的忠良。我不知道他为什么会触及到纣王的逆麟,但如果纣王亲征的话,冀州侯一家的灭亡就在所难免了。想到这里,鲁雄若无其事地上奏,提出了自己的建议。
「たかが冀州如き、小さな諸侯の罪を問うのに、ご親征は、もったいのうございます。それより、四大諸侯が未だ城内に留まっておりますので、そのいずれかに命じて蘇護を召し捕らせ、都にて断罪したほうが、聖威を宣揚する途かと存じます」
“为了追究像冀州那样小的诸侯的罪过,您就要亲率六师征伐不臣。陛下有此等雄心壮志,臣实在是无比高兴。不过,比起这个,四大诸侯仍然留在城内,因此,臣觉得,陛下可以给其中一位诸侯下令,让他去逮捕苏护,并将其押至都城断罪。这难道不能更好地宣扬圣威吗?”
「なるほど、誰がよいと思うか?」
“原来如此,你觉得派谁去比较好呢?”
「冀州は北伯(北路の大諸侯)の旗下にあり、崇候虎が適任かと存じます」と費仲がかたわらから口を出した。
“冀州侯是北伯(北路大诸侯)的属下。臣认为崇候虎是最合适的人选。”费仲在一旁插话道。
それはまずい、と魯雄は考える。袁福通が謀反した後、紂王は崇候虎を新たな北伯侯に立てた。しかし、北伯の崇候虎は、野卑貪欲で、しかも横暴この上ない男だ。彼が大軍を率いて通れば、沿道の住民に、とんでもない災害を及ぼす。沿路は草も生えまい。そう考えて魯雄は、再び、平伏した。
这可不好!鲁雄想道。自袁福通谋反后,纣王将崇候虎立为新的北伯侯。可是,北伯崇候虎是一个贪婪无耻又蛮不讲理的人。要知道,候虎过境,寸草不生。如果他率领大军征伐冀州的话,一定会给沿途的居民带来可怕的灾难。鲁雄想到这里,再次平伏在纣王的脚边。
「北伯もよろしいが、惜しむらくは、敵を威圧する威儀と器量に欠けております。その上、敵をして釈然と法につかせる、徳行と信望が足りません。首尾よく使命を果たし、もって陛下の威徳を顕揚するためには、やはり、ここは西伯姫昌が適任かと存じます」
“北伯是个不错的人选,但遗憾的是,他缺乏慑服敌人的威仪和器量。而且,北伯的德行和信望,不足以让敌人释然就范。臣觉得,西伯姬昌才是最合适的人选。他一定能圆满完成使命,弘扬陛下的威德!”
紂王は一瞬考え込む。そして北伯と西伯の両人に、節鉞(征討軍の主将に渡す割符と大斧)を授けることにした。
纣王沉思了一会儿后,决定将节钺(交给征讨军主将的割符和大斧)授予北伯和西伯两人。
まもなく、その旨の詔勅を奉じた使者が、前触れもなく、顕慶殿に姿を現わす。四大諸侯を慰労する恩賜の宴は、まさに酣であった。だが、それにお構いなく、使者は詔勅を掲げ、西伯姬昌と北伯崇候虎を、床にひざまずかせて、詔勅を読みあげる。
不久后,奉诏敕下旨的使者,毫无征兆地在显庆殿现身了。慰劳四大诸侯的恩赐之宴正处于高潮之中。然而,使者却毫不在意地举起诏书,让西伯姬昌和北伯崇候虎在地上跪听诏敕的宣读。
——冠履(帽子と靴)の分は厳しく、仕君の道に二つはない。出仕の召命至らば、車に馬つけるを待たず(はだしで飛び出せ)、死を賜われどもあえて命に違わず(悦んで死ね)。尊卑の定め、かように隆かるべく、仕途の「礼」もまたかく崇かるべし。しかるを蘇護なる者、無道にも狂いて礼に悖り、殿に立ちて君に忤らう。しかるを特に赦しつかわして帰国せしむるに、改悔の色まったく無し。あまつさえ叛意を詩に題して、平然と午門に書きつけたり。その罪赦すべからず。よって汝ら姫昌、崇候虎に勅命す。往きて、その罪を天下に問え。あだ寛縦(簡単にゆるす)すべからず。されば汝ら両人に節鉞を賜わる。皇恩に謝して、欣然と赴くベし——
——冠履(帽子和靴子)之分维严,仕君之道无二。故君命召出仕,不得待马附车(要赤着脚飞奔而出);君诏敕赐死,不敢违命抗旨(要喜悦地死去)。若尊卑之定家喻户晓,则仕途之“礼”可蠲敝崇善。苏护无道,狂悖无礼,立殿忤君。朕特赦宥申斥,使其归国,然此贼不思悔改,辄敢安心叛主,书反诗于午门之上,罪在不赦。尔姬昌、崇候虎两人,奉朕敕命,疾往冀州,以其罪问天下,毋得宽纵(轻易地放过)。赐汝两人节钺。速谢皇恩,欣然赴讨。钦哉。——
宰相と亜相、それに四大諸侯の主客は、いっぺんに酔いから醒める。もはや、宴会どころの騒ぎではない。使者が去ると、西伯姫昌が言った。
宰相和亚相,以及四大诸侯,主客双方一下子就清醒了过来。这已经不是一场单纯的宴会了。使者离去后,西伯姬昌说道:
「蘇護は来朝しているが、参内していない。陛下に拝謁していない者が、殿に立ちて君に忤らった、とはどういうことか?それよりあの男は、忠良で義気が強く、しかも軍功を重ねている。反詩を午門に題した、というのも何かの間違いであろう。それゆえ、宰相、亜相にお願いするが、明朝早く参内して、事の真相をお確めいただきたい。是なら征討もやむなし。非なら諫止すべきではないか」
“苏护虽然来朝,但他并未入宫参拜。一个没有拜谒过陛下的人,却站在大殿里和陛下对着干,这是怎么一回事?更重要的是,苏护忠肝义胆,还立下了不少军功。为何会在午门题下反诗?这一定是某种误会吧。因此,请宰相和亚相明日一早到皇宫来,看看事情的真相到底是什么。若敕旨所言属实的话,我们就得出兵征讨苏护。可若真相并非如此的话,难道我们不该劝阻陛下,让他收回成命吗?”
「そのつもりでいる」と亜相比干が答えた。しかし、北伯崇候虎が異を称える。
“我也打算这样做。”亚相比干答道。然而,北伯崇候虎却提出了反对意见。
「天子の命は、織物から解れた糸のように、元に戻すことは出来ない。詔勅が出た以上、多言は無用である。枝葉のないことを天子が取り上げるとは考えられず、午門の題詩は、間違いあるまい。いま、諸侯が王命を素直に受けず、あらぬ詮索を始めたら、一体、朝廷の綱紀はどうなるのか。諸侯が王命を軽んずるは、乱の始まりである」
“天子的诏命,就像从织物中解开的丝线一样,永远无法收回。如今诏敕已出,多言无用。毫无疑问,苏护在午门题下了反诗。难道天子会无中生有,发此难端?这是让人无法想象的。再说了,如果诸侯们不把王命当回事儿,甚至过分追问王命的合法性的话,那么朝廷的纲纪究竟会变成什么样呢?依我看,诸侯对王命的轻视,就是天下大乱的肇始。”
それに、姫昌が反論した。
姬昌对崇候虎的言论进行了反驳。
「それも、一理ではある。しかし蘇護の忠良を、よもや、貴侯は存じないわけではあるまい。諸侯としても、武将としても彼は当代一流の傑物である。これまでに、過失と言えることを犯したことはない。思うに天子は、誰かの奸言に惑わされているのではないか。不明の軍を興すは、国家の瑞祥ではない。平地に波乱を起こすは愚かである。兵は凶器で、戦火に捲き込まれる人民の迷惑と、損害は計り知れない。それに、無明の師、は聖徳を黷す」
“你这话说得很有道理。但是,苏护的忠良,贵侯又怎会不知道呢?无论是诸侯抑或武将,他都完美地履行了自己的职责,是当代一流的杰出人物。至今为止,他还没有犯过能被称为‘过失’的事。我觉得,天子或许是被谁的奸言给迷惑住了。兴不明之军,恐非国家之祥瑞。若平地起风波的话,更是愚不可及。兵者,凶器也。将人民卷入战火之中,带来的麻烦和损失是不可估量的。况且,无名之师,是对圣徳有损的。”
だが、その姫昌の講釈に、崇候虎はやおら開き直った。
可是,听完姬昌的解释后,崇候虎却突然改变了态度。
「もっともらしげに言いながら、貴侯は明らさまに、君命を軽視している。煌々たる君命に逆らうことは、誰にも赦されない。あえて欺君(君主凌辱)の罪を犯そうとなら、それは別だが?」
“贵侯的说法似是而非!说句难听的,你已经在明目张胆地轻视君命了!君命煌煌,谁敢有违?!当然,如果某人硬要犯下欺君(凌辱君主)之罪的话,那就另当别论了! 总而言之,违逆君命者,谁都不会放过!”
崇候虎の言葉に刺がある。もはや、議論の余地はない。
崇候虎语含讥讽,话中带刺。如今,两人争论的余地已经没有了。
「わかった。ならば貴侯は、すぐさま冀州に兵を進めるがよい。自分は一旦、国許に帰り兵を整、えて馳せつける」と姬昌は、さすがに老獪であった。
“明白了。那么,贵侯应该马上进兵冀州。我自己还得先回西岐整兵。待一切准备就绪,我自会前来驰援。”老奸巨猾的姬昌如此说道。
その翌日、崇候虎は六師から兵五万を調達する。急ぎ、朝歌を離れて、冀州征討の途についた。しかし、紂王の意を迎えるために、勇ましく征途にはついたものの、崇候虎の胸に勝算があったわけではない。
次日,崇候虎从六师处调来五万兵马。他匆忙离开朝歌,踏上了征讨冀州的战途。不过,尽管崇候虎迎合了纣王的心意,勇敢地踏上了征途,但他心中毫无半分胜算。
冀州城の守りの固さと、冀州軍の勇猛果敢なことは、古くから音に聞こえていた。しかも、それを攻略する兵馬は借り物である。崇候虎は行軍の速度を落として、道草をくった。おくれて戦場に到着する西伯軍と、冀州で合流するためである。
冀州城防的坚固,以及冀州军的勇猛果敢,自古以来就闻名于世。更别说,崇候虎攻打它的兵马都是借来的。为了与晚到战场的西伯军在冀州会合,崇候虎放慢了行军速度,故意耽搁了不少时日。
ゆっくりとひと月ほど時間をかけて、崇候虎は、冀州領内に入った。しかし、西伯軍は、その姿も影もない。姫昌の臆病者めが、と舌打ちしながら、征討軍を冀州城下に進める。素早くそれを見つけた冀州の哨兵が、城内に馬をとばした。
慢慢地,经过一个多月的时间,崇候虎终于率军进入了冀州境内。然而,西伯军却是无影无踪。姬昌真是个胆小鬼!崇候虎一边咂着嘴,一边将征讨军推进到冀州城下。很快,冀州的哨兵就发现了征讨军的踪影。哨兵们急忙策马入城,向苏护报告。
「主将は、いずこの諸侯じや?」
“主将是哪一位诸侯?”
「北伯崇候虎でございます」と聞いて蘇護は色をなす。他の諸侯であれば、申し開きや談合の余地もあろう。だが、崇候虎なら、断固戦うほかない。
“是北伯崇候虎。”听到这个消息,苏护神色黯然。如果是其他诸侯的话,或许他还能有些辩解和磋商的余地。但既然是崇候虎的话,他就别无选择,只能战斗到底了。
「敵の出鼻を挫いて、軍威を示すのだ。敵が設営を始めたら、いきなり一斉攻撃をかける。ぬかりなく支度にかかれ!」と蘇護は下知して、敵の到着を待った。
“我们得先挫败敌军的锐气,以示冀州军的军威!这样!当敌军开始设营之时,你们就一起发动突袭!诸君,做好万全的准备!”苏护预先布置好战术,等待着敌军的到来。
それと知らずに、崇候虎は城下はずれに野営を築く。そこへ冀州軍が殺到した。
崇候虎毫不知情,正在冀州城下搭筑营垒。突然,冀州军蜂拥而至,向他杀了过来。
本来なら、野営の轅門(車を倒し轅を向かい合わせて柱とした門)で——主将崇候虎との手合わせを願う——と呼ばわるのが「軍礼」である。しかし蘇護はあえて、それを無視した。そして、いきなり襲いかかる。
本来的话,在大本营的辕门(次车以为藩,则仰车以其辕表门)——主将崇候虎会提出和苏护较量的请求——这就是所谓的“军礼”。可苏护却敢故意无视这项潜规则,并对崇候虎发动了突袭。
それでもさすがに、崇候虎は、白黒まだらの馬にまたがると、部将を左右に配して、すぐさま陣脚を整えた。そこへ蘇護の一団が突進する。
尽管受到了冲击,崇候虎却仍是跨上了那匹黑白斑驳的战马,并立刻将部将安排在左右,调整好军队的阵脚。然后,苏护就率领着他的集团军冲到了他的面前。
「候虎、出合え!」と蘇護が挑みかかる。
“候虎,滚出来!”苏护向他发起了挑战。
「誰ぞ、その逆賊を捕えよ」と崇候虎は左右を顧みて、後に退がった。斧を手にした武将がとび出す。馬を蘇護に向けて斬りかかった。征討軍の副将梅武である。
“谁给我擒下那个逆贼?!”崇候虎回头左顾右盼,然后竟直接退了下去。这时,一名手持大斧的武将冲了出来,一马当先地向苏护斩了过去。这是征讨军的副将梅武。
「待て!」と蘇全忠が戟をしごいて、梅武の前に立ちはだかった。二人は顔見知りである。
“慢着!”苏全忠摇晃着长戟,挡在了梅武的面前。两人互相认识,素有交情。
「蘇全忠、馬から下りて縛につけ!叛乱を起こした上で、天兵(天子軍)に刃向かえば、一族全滅を免れまいぞ」と梅武は威嚇した。かまわずに蘇全忠は戟を繰り出す。梅武は斧で受けた。両馬が往き交い、斧戟が火花を散らして、戦うこと二十回合。第二十一回合目に蘇全忠の戟が、ついに梅武の胸倉を捉えた。梅武は、もんどりうって落馬する。幸先よしと、冀州軍の大太鼓が鳴り響いた。総突撃の合図である。
“苏全忠,快快下马受缚!要是你在发动叛乱之后,还敢与天兵(天子军)对抗的话,你的家族将不免被天兵消灭!”梅武威吓道。苏全忠没有理会,猛地挺戟一刺。梅武以大斧挡住了他。两马往来交错。斧戟相拼,火花四溅。二人斗了二十个回合。在第二十一回合上,苏全忠的长戟终于刺中了梅武的胸仓。梅武翻身落马。冀州军的大鼓欢呼雀跃地响了起来。这是总冲锋的信号。
蘇護は崇候虎を追い、趙丙、陳季貞の二将が指揮する冀州軍が、左右から設営中の北伯軍に襲いかかった。見る間に死傷者が折り重なり、血が溝に集まって流れる。
苏护紧紧地追着崇候虎。赵丙和陈季贞二将则指挥着冀州军,一左一右地向正在设营的北伯军扑了过去。放眼望去,尸横遍野,血溅成渠。
虚を突かれて、北伯軍は崩れた。追撃をせき立てる冀州の軍鼓は鳴りやまない。北伯軍の武将、金葵、黄元済、崇応彪(候虎の長男)は、主将の崇候虎を護りながら、かつ戦いかつ逃げた。追擊すること十里の地点で、蘇護は金(鐘)を打たせて、追撃を止める。そして城に引き揚げた。
苏护攻其不备,打得北伯军溃不成势。事实上,督促冀州将士们追击敌人的军鼓声就从未停止过。在保护主将崇候虎的同时,北伯军的武将金葵、黄元济、崇应彪(候虎的长子)且战且逃。冀州军一路追出十里开外,苏护适时鸣金(钟),让将士们停止追击下去。然后,他收兵撤回至冀州城中。
冀州軍の大勝利である。さっそくに論功行賞が行なわれた。しかし蘇護に喜色はない。
这是冀州军的大捷。苏护当即论功行赏,可他的脸上却没有半分喜色。
「初陣では完璧な勝利を収めた。しかし、敵は必ず援軍を求めて、攻めてくる。戦さには勝ったが、危機が去ったわけではない。真に危機を脱却する方法はないものか?」と憂色は深い。副将の趙丙が進み出た。
“我们初战崇候虎,取得了完美的胜利。但是,崇候虎必定会求来援军,再次对我们发起进攻。尽管我们打赢了这场战斗,但危机还远未结束。难道我们就找不到真正摆脱危机的办法吗?”苏护忧心忡忡地说道。这时,副将赵丙走进大营,表达了他的意见。
「おっしゃるように、天下の諸侯は崇候虎一人ではなく、朝廷には百万の禁軍がいます。朝廷は次ぎ次ぎに征討軍をくり出してくるに違いありません。われわれは卵で、敵の石と投げあっているようなものです。しかし、さきに叛詩を午門に題し、いままた天軍の将を斬り兵を殺したからには、もはや戻る道はありません。毒を喰らわば皿まで、と申します。北伯軍は、ここを離れる十里の地点から、まだ移動してはいますまい。容赦なく追い討ちをかけて殲滅し、冀州侮りがたし、と天下に気を吐けば、自ら浮かぶ瀬もあろうかと存じます」
“如您所说,天下的诸侯,非止崇候虎一人,而朝廷所掌的百万禁军也尚未出动。因此,朝廷一定会派出一支又一支的征讨军。事实上,我们正在用鸡蛋和敌军投出的石头厮杀。但是,主公您先在午门题下了反诗,如今又于天军到来时斩兵杀将。如此一来,您已经没有回头路可走了。俗话说,一不做,二不休。北伯军离我们不过十里远近。如今他们还没有离开,主公千万别手下留情,更应该马上展开追击行动,力争将他们尽数歼灭。冀州军绝不能被小看!如果我们向天下的诸侯传达出这种意志的话,他们就不会前来自寻烦恼了吧?”
「その通りだ。そうするほかあるまい。よくぞ言った」と蘇護は、我が意を得てうなずく。そして、ただちに行動に移った。
“是啊!没错!我们别无选择!你说得真好!”苏护领会了赵丙的意思,颔首赞道。然后,他立马布置起了冀州军的行动计划。
「全忠は、兵三千を率い、西門を出て、五岡鎮(村)の先き十里の地点に埋伏せよ」と長子の蘇全忠に伏兵を命じて、現場に向かわせる。
“全忠率兵三千,出西门,埋伏在五冈镇(村)前面十里的地方。”苏护命长子苏全忠率伏兵前往现场。
「陳季貞は左営を、趙丙は右営を指揮せよ。日暮れとともに、兵は枚をくわえ、馬は鈴をはずして、秘かに敵陣に接近するのだ。そして、中営の号砲を合図に、一斉に雪崩れ込め。ただし、五岡鎮の方向に、敵の退路をあけておくことを忘れるな。崇候虎は、出来うる限り殺さずに、生け捕るのだ」と蘇護は、早々に夜襲の手筈を決めた。起死回生の策である。ここで北伯軍を一気に潰滅させれば、呼応する諸侯が現われるかも知れない。あるいは、それを機に、好意を寄せてくれる大諸侯に、取りなしを頼むことも出来るだろう、と蘇護は考える。
“陈季贞指挥左营,赵丙指挥右营。待日暮时分,兵衔枚,马摘铃,便可悄然接近敌营。随后,你们等中营的号炮发出信号时,便一齐率兵蜂拥而入,将敌军彻底歼灭。不过,你们要记得在通往五冈镇的方向给敌军打开一条退路。此外,你们最好不要杀死崇候虎,尽可能将他生擒。”苏护早早地做好了夜袭的准备。对他而言,这是起死回生之策。苏护认为,如果他能将北伯军一举歼灭的话,北方的各路诸侯可能会应声而起,相互呼应。或者,苏护能以此为契机,向对自己有好感的大诸侯发出请求,并让他帮忙讨个说法。
敗れた崇候虎は、敗殘の兵を集めると、殘った軍を寄せて、取りあえず野営を築いた。
崇候虎战败后,将剩余的士兵召集起来。残军被收拢后,崇候虎又命他们搭起了营帐。
「なんたる無惨な敗北か。梅武は殺され、兵士の大半が死傷した。どうすればよいのか?」とつぶやきながら涙を落とす。周囲に声はない。見かねて、黄元済が進み出た。
“多么惨烈的失败啊!梅武被杀,士兵们大半都非死即伤。我该怎么办?”崇候虎喃喃自语,眼泪不停地掉了下来。周围的士兵都默不作声。黄元济看不下去,便上前劝谏道:
「勝敗は兵家の常でございます。西伯の軍勢は、明日にでも到着するでしょう。そうなれば、冀州軍を破るのは造作のないことです。ご憂慮には及びません」とうなだれていた崇候虎を励ます。崇候虎は、ようやくにして愁眉を開いた。景気直しにと将兵に酒をふるまう。
“胜败乃兵家常事。西伯的军队明天就要到了。那样的话,打败冀州军将是件轻而易举的事。主公不必担心。”黄元济不住鼓励垂头丧气的崇候虎。一番劝慰后,崇候虎的愁眉好不容易展开了。为了恢复士气,崇候虎给将士们送去了酒水。
そこへ、いきなり雷が落ちたように、突如として号砲が鳴り響く。馬が驚いていななき、兵士が肝を潰して震えた。再度の不意討ちに、北伯軍は慌てふためく。暗夜だったことが、さらに混乱を大きくした。暗がりの中で、同士討ちが始まる。ただ逃げまどう兵士は、冀州軍の恰好の餌食となった。
就在这时,号炮犹如惊雷,突然在中营处鸣响。战马受惊,四散奔逃。士兵胆震,浑身颤抖。面对冀州军的再次突袭,北伯军惊慌失措。由于时值黑夜,士兵们的混乱被迅速扩大。在黑暗中,北伯军的将士们开始自相残杀,而那些一心逃跑的士兵,则成了冀州军最好的猎物。
鎗を抱えた馬上の蘇護は、目を皿にして崇候虎を捜す。ようやくにして白黒まだらの馬に目を止めた蘇護は、崇候虎を求めて馬を進めた。だが、護衛する崇応彪、金葵、黄元済に阻まれて近づけない。それを見て、趙丙が突進してきた。金葵が、趙丙に立ちはだかる。趙丙は金葵を斬り伏せたが、それに手間どって、崇候虎を取り逃がす。
苏护在马上抱着枪,瞪着眼睛搜寻崇候虎的踪迹。好不容易,苏护才留意到那匹黑白斑驳的战马。此时,崇候虎正奋力驱马,想要冲出包围。由于崇应彪、金葵、黄元济等人的护卫和阻拦,苏护无法接近崇候虎。见此情景,赵丙冲了过来。金葵挡住了赵丙的去路。赵丙费了不少功夫,才将金葵斩于马下。崇候虎趁机逃走了。
崇候虎の一団は、蘇全忠の待ち伏せる五岡鎮の方向へ落ち延びる。それを見届けて、蘇護と趙丙は追撃を止めた。そして撤退の鐘を打ち、兵を収めて城に引き揚げる。
崇候虎的兵马往五冈镇的方向撤退,而苏全忠的伏兵早已等待多时。看到这一幕,苏护和赵丙停止了追击行动。然后,苏护敲响了撤退的钟声,收兵返回了冀州城。
夜明けに、蘇全忠の一隊が帰城した。
拂晓时分,苏全忠的兵马也回城了。
「崇候虎を生け捕ったか?」
“你生擒了崇候虎吗?”
「敵将の一人、孫子羽を討ち取り、崇応彪に重傷を負わせました。崇候虎を討ち果たす機会はありましたが、生け捕りにこだわり過ぎて、軽傷を負わせたのみです」と蘇全忠は父の蘇護に戦果を報告した。
“我杀死了敌将孙子羽,让崇应彪负了重伤。当时,我本有机会击杀崇候虎,但因为过度执着于生擒对方,便只将他打成轻伤。最后,我不小心让他逃走了。” 苏全忠向父亲苏护报告了战果。
「悪運の強いヤツじゃ。このつぎは逃がすまいぞ。ご苦労じゃった」と蘇護は全忠をねぎらう。
“你的运气不好。下回可不能再让他逃掉了。辛苦了。” 苏护安慰全忠道。
北伯軍はすでに、潰滅したも同然である。
事实上,北伯军几乎已全军覆没了。
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译者认为,这是比较原著的一章。但我认为,在细节的行文中依然渗入了不少的日本风格。作者很明显想采用日本人的惯用手法,把一些情节描写得细腻一些。但这些温情却与中国人自己的习惯相差很大。很多都是日本式的。这也就可以看出中日两个民族间的区别。